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“Danger and Despair”


2015/08/19 01:18 作成 / 2015/08/19 10:18 更新

危険と絶望の地

By: EM Malachi

笑い声と音楽がサールダシル城を満たし、飲み物が次から次へとふるまわれていた。若き騎士らは状況を好ましくは思っていなかったし、老兵は士気を高めるためにあえて上機嫌を装うことを選んだ。明日、彼らの軍はブリタニア軍に合流し、魔法使いモンディンの巨大な軍勢に戦いを挑むだろう。よしんば戦いに勝利したとしても、多くの者たちが遠く故郷を離れた地で命を落とすだろう。

その顔に心痛を押し隠したまま、シャミノ・サールダシル、レンジャーにして王は、酔客たちのテーブルをひとつひとつ回っては、互いに乾杯したりとりとめのない話に笑ったりしていた。彼らは良き人々であり、シャミノはほんの数年王として君臨する間に何かにつけて彼らに借りを作ってしまっていた。

シャミノは王の控室に戻るまで、その顔に仮面を貼り付けたままでいた。彼の姿を認めると、ビュートリクスは書き物をする手を止めて彼とともに窓辺に立った。彼女はシャミノに両の腕をまわして引き寄せた。城のある山間の夕べの空気は冷たく、彼女の温もりはありがたかった。彼らはしばらくの間そのまま静かに立ちつくし、眼下に広がる大地を見つめていた。片田舎に転々と散らばる農家の灯りは点いていなかったが、ロスト・フレンズの小さな村落では灯りとともに人々が軍に物資を供給するための荷馬を用意する動きが見て取れた。防御のために高い崖の上に建てられた城の上から眺める彼の戦いのための努力は、取るに足らないもののように見えた。シャミノはため息をついた。
「これが正しい決断であったことを祈るよ。」

「シャミノ、愛しい人。あなたはご友人の計画を信頼していらっしゃるはず。たとえ敵が勝利しようともモンディンの軍勢の前には大きな力で立ち向かわねばなりません。ご心配なら私もあなたとともに参ります。怪我人を手当する者が必要になりましょう。」

「それはだめだ。君のいるべき場所はここだ。君の家族は数えきれないくらい代々この地を統治して来たのだし、人々には王女が必要だ。もし僕たちが二人とも遠く離れた地で死ぬようなことがあれば人々の心は壊れてしまうだろうし、もしこの同盟が敵の前に砕け散ってしまったら、君と父上が引き継いで国境を守ってくれることを人々は期待するだろう。」

ビュートリクスはシャミノを見上げて微笑み、彼女の瞳は月明かりに照らされて輝いていた。
「いつ如何なる時も信頼に足る王でいらっしゃる。父上があなたに領土を分け与えたのは正しいご判断でした。ただ、必ず私の元に戻ると約束してください。愛しい人よ。」

ビュートリクスの額に口づけながらシャミノは誓った。
「この広間に次に笑いさざめきがあふれるとき、それは僕たちの結婚式になるだろう。」

*****

幽霊は廃墟と化した城の中を歩き、透き通るような絹のドレスは彼女の後ろでそよいでいた。彼女の歩みは何年もの間床に降り積もった埃を舞い上げることもなく、彼女のすすり泣きだけがもはや誰にも顧みられることもなくなった広間にこだましていた。何百年もの間にタペストリーは色褪せ、しかしただひとつ、擦り切れた紋章だけが緑色の背景に白いアンクを際立たせていた。 何時間彷徨っていただろうか、幽霊は朽ち果てたドレスと婚約指輪をまとった白骨のもとへと戻った。彼女の青白い指先がダイヤモンドのふちをなぞった。
「どこにいるの?愛しい人。」

上記の内容は、広田 剣氏 がFacebookに公開したものを引用しています。

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