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失望の入江 ? Lost Hope


2019/02/15 18:03 更新

出典: UO公式
https://uo.com/2019/02/15/lost-hope/

By EM Malachi

ずっとずっと昔のこと……

手漕ぎ舟は浸水していた。ラソーンは錨を下ろすHMSケープ号まで、びしょ濡れのブーツのまま水を汲み出しては行ったり来たりしていた。水夫たちはこうなる前に文字通り藁のくじを引いて、誰が貧乏くじを引くかを決めたのだ。結果的にラソーンが失望の入江を横切り、船とミノックの間を八往復するはめになったのだ。

もし、ラソーンが引き受けたこの注文が特別なものでなかったら、彼はこれらの荷物をもっと短いサイクルで運ぶことができただろう、しかし、中身は危険を冒すにはあまりに貴重すぎたのだ。ラソーンは船長に中身は何かと尋ね、これらは高名な匠の最後の作品であり、一連の作品は他でもないかの王に捧げられたものだと告げられたのだ。

マデレーンとアベリルの二人のガードは、彼をミノックの沿岸にある小さな工房へと案内した。ドアは最近取り換えられたばかりのようだったが、工房の中はツール、バネ、ギア、金属の破片といったものが散乱していた。片隅に積み上げられていたのは八つの揃いの木箱だった。最初の一つを持ち上げると、ラソーンは温もりとともに何かが静かに放射されているのを感じた。

ラソーンが手漕ぎ舟まで戻ると、地元の人々は彼に頷いて見せ、そして悲しげに首を振るのだった。ミノックの人々は皆、オレンジと黒のリボンを身に着けているようだった。入り江へと漕ぎ出しては戻る度に、二人のガードは彼を出迎え、工房へと案内することを繰り返すのだった。やがて長い一日とともに彼の仕事は終わった。

ラソーンが彼のハンモックへ戻る頃、夜番は錨を上げ、失望の入江を後にしようとしていた。HMSケープ号が入江を抜けようとする頃には、時刻は既に真夜中近くになっており、北側の山脈が月を覆い隠していた。風が突然止むまでは、船は快適に航行していた。船はまるで巨大な網に引っかかったかのように減速した。

夜番は真鍮のベルを鳴らして船長と他の水夫たちを起こし、甲板にいる者たちは暗い海をランタンで照らしていた。海面は前後に飛び回る優美な黒い影に満たされていた。彼らは上品なエルフのような風貌をしていたが、エラと長い尾ひれを持っていた。

「人魚だ!」甲板長が叫んだ。

生き物のうち一匹が飛び上がって船に乗り込み、三叉槍で水夫を甲板にとめ付けた。「失礼ね! あたしたちはニクシーよ! いい度胸だこと!」さらに多くの武装したニクシーたちが船に乗り込み、ひときわ大きな波が粘着物で覆われたすらっとした海の魔女を甲板に運んだ。他のニクシーたちは彼女らのリーダー、サイコラックスを取り囲んだ。

船長は空の両手を上げて前に進み出て言った。「私たちは争うつもりはない。私たちの王は残党にも平和を約束されたのだ。」

サイコラックスは冷笑した。「あなたの王の言う平和とやらは、妹のノクサムがスカルアイランドで漁網に捕まって群れからはぐれた時、守ってくれた? 彼女のために、あなたたちの命をいただくわ。」

船長はちらりとラソーンを見た。ラソーンは察して荷物を守ろうと船倉へ急いだ。「あなた方はそれが私たちではないことをご存知のはずだ。私たちはこの問題を平和的に解決できる。」

海の魔女は貝の破片でできた剣を抜くと船長の喉に突き刺した。「お前に平安を。血と血の協定によって。」

船長の体が甲板に打ち付けられる前に、水夫たちは剣を抜き、双方はぶつかり合った。水夫たちは他のニクシーたちを海に追い返すことに成功したが、サイコラックスはその場を動かなかった。「お前たちのうち何人かを、捕虜として申し受けたい。」

エラが不思議な魔法で光り輝くと、海の魔女は歌い始めた。船体を覆うすべてのフジツボたちは、苦しさから外へ押し出されて来た。尋常ではない揺れは船の骨組みをばらばらにした。魔法は海上を響き渡り、暗い海を撹拌しはじめた。やがて渦巻が壊れた船を水夫もろとも海の底へ引きずり込み始めた。

船が海水で満たされた時、ラソーンは決死の覚悟で貨物を覆う網を切った。床に叩き付けられて、貨物の蓋が開いた。彫刻を施された石は船倉のそれぞれ異なる八つの裂け目から外に転がり出た。ラソーンは暗い海が彼を飲み込む瞬間、深く息を吸い込んだ。

騒ぎが収まり、海が静かになるとサイコラックスは微笑み、波に紛れるようにして戻って行った。

上記の内容は、広田 剣氏 がFacebookに公開したものを引用しています。

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※広田剣とは…
ウルティマオンラインの日本のイベントモデレーター(EM)の方々によって開設された、Facebookのアカウント名です。
広田剣という名前は架空のもので、運営会社であるBroadsword社をそのまま日本語でモジったものだと言われています。
米国uo.comのニュース記事を、日本EMの方々が和訳し、広田剣としてFacebook上に公開してくださっています。

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