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宝の島 - Treasure Island


2019/04/01 14:12 更新

出典: UO公式
https://uo.com/2019/04/01/treasure-island/

By EM Malachi

船上の湿った空気がスペルブックのかび臭い匂いを運んで来た。ランキンは最後の本を何とか鞄に詰め込もうと躍起になっていたが、いよいよあきらめて衣類を引っ張り出して空間を作った。手漕ぎ舟へと重い鞄を引きずりながら、ランキンは他の乗組員たちが上陸のために立ち働く様子を見ていた。二人の荷役は干し肉と乾パンの在庫をチェックしていた。フォースキスという体格の良いガーゴイルはじっと空を見上げていた。フックはクラウン・ジュエル号の乗組員たちに最後の指示を与えるのに余念がなかった。海賊王はいきいきとしていた。もしこの探検が上手く行けば、ギルドの統治を長年維持して来た秘密が、間もなく彼の手に入るのだから。

*****

一日目の探検はつつがなく終わったが、二日目に災難が襲った。彼らはその日の朝からずっと、振動らしきものを感じてはいたが、たいしたことはないだろうとたかをくくっていた。轟音を最初に聞いたのはフックだった。フックは周囲のジャングルから溶岩の川が流れ込んで来たのを見て警告の叫びを上げた。パニック状態のランキンはテレポートのスペルを連呼し、フックとフォースキスは我先にと逃げ惑った。二人の荷役はただ立ち尽くしていた。彼らのうち一人だけがかろうじて悲鳴を上げていた。

ようやく息をつくと、生存者たちは状況を観察し始めた。溶岩の流れは目的地への直行ルートのほとんどを塞いでしまっていた。地図を見ながらランキンは別ルートを吟味した。「厄介だな。予定は変更せざるを得ないし、最も安全なルートを行けば最低でも一週間はかかる。」

「それはだめだ。蓄えがあるにしてもそんなに長く船を留守にはできん。残された乗組員が何をするかわからん。」

「こっちのルートの方が近いが、同じように塞がれている可能性がある。君のガーゴイルに偵察を頼めるかい?」ランキンは両手を組み合わせて羽のように動かして見せた。

フォースキスは頭を振ると、翼の飛膜部分を横切るギザギザした傷を指差して見せた。

「フック、君は事もあろうに有翼の飛べないガーゴイルを連れて来たのかい?荷役なら羽のないガーゴイルの方がよほど腕っ節は強かろうに。」

フォースキスは歯をむき出して一歩前に踏み出したが、フックが手を出して止めた。「俺の友人を侮辱しないでくれよ。君がそうであるように、彼にもまたとんでもない美点があるのさ。」

フォースキスは死人の着衣に残された資源を回収すると、ジャングルへと分け入って行った。

*****

フォースキスが拳を振り上げたまさにその時、ランキンは新しい清潔なシャツが欲しいとごねている最中だった。彼らの行く手には塩水らしき流れがあり、その淵にいたのはサラマンダーのような形をした青緑色の大きな生物だった。文句を言うのも忘れてランキンは声を張り上げた。「トリトンだ!」

トリトンは視界に彼らの動きを捉え、口と胃袋を全開にして滑るように標的へと向かって来た。身構えるフックとランキンをフォースキスが止めた。「俺のだ。」

ガーゴイルは二本のカーブドナイフを抜くと前へと繰り出した。彼の最初の一撃がトリトンの目玉をえぐり出した。トリトンはフォースキスを噛み砕こうとさかんに顎を振り回したが、疾風のように舞う刃がいち早くトリトンのわき腹に波打つ傷を付けていた。降参し、退却を試みる瀕死のトリトンの体になおも腕を巻きつけ、それが完全に息絶えるまで、フォースキスは執拗に刃を突き立て続けた。

フックは笑った。「俺がなんでやつを連れて来たかわかったろう?」

*****

フックは岩肌を目の前にして顔をしかめた。「地図はまさにここだと言っているんだが。」

ランキンは目を閉じると少しの間集中した。「ここに滞留するマナは様子が変だ。入り口がここにあるのは確かだが、呪文によって封じられている。」再び目を開けるとランキンは床に座り、鞄の中から本を取り出して並べ始めた。

「どれくらいかかるんだ?」フックが聞いた。

既に本に顔を突っ込んだランキンが答えた。「とりあえずやってみるさ。」

ランキンはいくつかの標準的な呪文を試み、壁に水を注いだが、反応は得られなかった。焦れたフックはフォースキスに命じて壁に向かって大きな岩を投げ付けさせた。もう一度本に目を落としたランキンは、長さのある金色の導火線を鞄から取り出し、詠唱を開始した。

ランキンが細い導火線を鞭のようにふるい、その先端が岩に触れた瞬間、バーン!という音とともに爆発の魔法が岩を粉々にして封印となっていた魔法を焼き払った。煙が消えると、そこには洞窟が口を開けていた。

あり合わせのトーチに燃えさしで点火すると、ランキンはひらひらと大げさなお辞儀をして見せた。「火のカルティストはなんと激しい教師であることよ。」

*****

彼らは大きな石の箱が鎮座する部屋へと繋がる、細い石のトンネルを降りて行った。その蓋の上には“無法者の王は曲がった鍵である”と碑文が刻まれていた。そこには鍵穴らしきくぼみもあった。フォースキスは石の蓋をどかそうとしたが、あまりの痛みに飛び上がって退いた。

ランキンは 石の箱を注意深く観察した。「下級のトラップの魔法だろう。解除するからちょっと待っていてくれ。」そう言うとランキンは本に書かれていた呪文を諳んじて石の箱に向かって集中させた。すると、呪文からのマナがランキンに向かってはね返った。エネルギーが弧を描いてランキンの体を痛めつけ、メイジはたまらず床に崩れ落ちた。フォースキスはメイジを固い石の床に押し付けるとベッドロールを掴んで覆いかぶさり、飛び散るマナの火花を防いだ。

息をつきながらランキンは礼を言った。フォースキスは焼け焦げたベッドロールを放り投げて肩をすくめた。「フックがお前はまだ死なせないって言うんだ。」

フックは碑文をもう一度読んだ。「これはどういう意味だ?」

ランキンは床から立ち上がると言った。「おそらく血統が鍵になっているのだと思う。ブドーの若旦那は子孫だけがこれを開けられるようにしたのさ。」

「これには王と書いてある。デンの統率者は血縁にあらず、投票によって決められたはずだ。」フックはナイフを取り出し、自らを傷つけて鍵穴に血を注ぎ込んだ。石の聖遺物箱が開き、中身が露わになった。武勇のルーンだった。

上記の内容は、広田 剣氏 がFacebookに公開したものを引用しています。

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※広田剣とは…
ウルティマオンラインの日本のイベントモデレーター(EM)の方々によって開設された、Facebookのアカウント名です。
広田剣という名前は架空のもので、運営会社であるBroadsword社をそのまま日本語でモジったものだと言われています。
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