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明滅するもの - Flicker - 2020/02/19更新
出典: UO公式
https://uo.com/2020/02/18/grim-moments/

ドルイドは友人がイバラの茂みにくず折れようとする前に、かろうじて支えた。イアナはこの森をよく知っていたし、そのためにふさわしいブーツを履いて来ていた。マライアはムーングロウの街角でよく見かけるタイプの靴を履いており、いつもより心なしか注意力散漫であるように見えた。わずかな行程は、予定したよりも倍の時間がかかった。
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ウィスプは空中に悲しげな雨雲のようにぶら下がっていた。いつもはまばゆいはずの光も灰色にくすんでおり、集合体であるはずのゾーリニアは、欠陥のあるこのウィスプを拒んでいるかのようであった。「これは一体、どういうことなの?」イアナは聞いた。

マライアは彼女の息を整えると、生き物を観察した。「一つの推論が許されるのなら、彼は集合体からあまりに長く切り離されていたのだと思うわ。魔法の力を持ってしても、いくつかの傷は修復不可能なレベルね。」

「だけど、私は彼らに影響を及ぼしているジェネレーターの一つを不活性化するために手をつくしたのよ。他のウィスプたちは何でもないわ。」

「ええ、そしてその中の一群が扇動スキルを持たない人々を攻撃したわよね。彼らにはゾーリニアのウィスプと目に見えない違いがあるのかも知れないわ。」

「このウィスプを助けることはできないの? 今にも力尽きてしまいそうよ。」

「集合体への接続を修復するために何かできるかも知れないけれど、それはとても難しいことなの。準備に一時間程度はかかるかも。」

「だけど、あなた自身を消耗させてしまっていいの? 疲れているように見えるわ。」

マライアは既にバッグからスペルブックを取り出した後だった。「何かしなくては。」

マライアが儀式の準備をする間、イアナはその場にいた他のウィスプたちと意思疎通を試みた。彼らは“シャープエセリアルウェイブ”と呼ばれる存在に、非常に動揺しているようだった。彼らがまさに今、ソーサリアを脱出することが可能であったならば、集団で故郷の集合体めがけて帰還したことは間違いないだろう。

マライアは儀式用のサークルをウィスプの周りに描き終わると当時に詠唱を開始した。「Ort Lor In Grav Vas Wis」。メイジが光に包まれ、規則的な閃光がウィスプを取り囲んだ。ウィスプ自身の発光が次第に強まり、やがてそれは閃光に合わせて明滅を開始した。

すると、一陣の風が吹き、すべてが停止した。空中のエネルギーは爆発し、マライアを空地へと吹き飛ばした。ウィスプたちはガラスが粉々になったかのような叫び声を上げた。イアナはマライアを助け起こそうと駆け寄った。「大丈夫?」

マライアは体を起こしたが、目に見えて震えていた。「いいえ、私の魔法は、マナへの接続は、断たれてしまった。」マライアは彼女が助けようとしたウィスプを見た。それは小刻みに呼吸していたが、やがて光は完全に潰えたのであった。
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