ウルティマオンライン™公式ニュース詳細
ウルティマオンラインの公式ニュースを、飛鳥市場がスマートフォン用に自動変換して表示しています。
ザ・ブラックゲート - The Black Gate - 2020/10/20更新
出典: UO公式
https://uo.com/2020/10/19/the-black-gate/

By EM Malachi

空は色とりどりの渦を巻いていた。ソーサリアの太陽の軌道上にある異世界から、手つかずのマナが注ぎ込まれている。八本の柱から放たれた魔法が、ルーンの縁取りを施された巨大なブラックロックの板に向かい、集中していた。ブラックゲートである。

フェローシップの信者たちは熱狂と絶望の狭間で揺れていた。ブラックゲートは彼らの兄弟、バトリンが誓ったすべてであり、失敗はすなわち死か投獄を意味する。かくも教団は単体ではなかった。人類には、フェローシップの所業によってもたらされた敵が他にもいたのである。

ブリタニア側の勢力は微々たるものであった。ようやくこの場所にたどり着いた時には、十分な援軍を船で送り込むための時間は残されていなかった。魔法によって一人でも多くの兵士を進軍させるため、何か月もの間異常なマナに侵され続けたメイジたちが病床から自らを引きずり出すほかはなかった。

デュプレは額の汗を拭い、戦況を分析した。ファイア島の火山灰は熱く、焼灼性のある空気を生み出していた。スカラブレイのレンジャーたちと、ザー女王の派遣したガーゴイルたちは、前線に矢と投擲の雨を降らせていた。鉄の鎧に身を包んだパラディンたちが、オークの猛攻に耐えていた。織成呪文と神秘呪文の使い手たちはエレメンタルとの一騎打ちに挑みながら、魔力の交換による死のダンスを踊っていた。

戦いが開始されて間もなく、九本目の柱は崩落したが、横たわっていたドルイド、バトリンはこの時既に巨大なデーモンへと姿を変えていた。彼は無敵というわけではなかったが、あまりに多くのデュプレの軍勢がこのフェローシップの教祖のために割かれていた。

この混乱は、扉が開くための時間を与えてしまった。漆黒の表面に魔法がインクのように注がれる様は、まるで巨大な手が伸びて来るようであった。

デュプレは後ろを振り返った。ブラックゲートを阻止せんとアーティファクトを手にしたメイジたちの一団は、戦いの只中に閉じ込められていた。唯一、デュプレだけが、ブラックゲートと至近距離を保っていた。騎士は手の中の、悪魔アルカディオンの手により鍛錬されたというブラックロック製の剣を見つめた。彼に、他に何ができたと言うのだ。

デュプレは一対の教団のガードが彼の脇腹をスピアで貫いたのをものともせず、ゲートへと突進した。戦いで消耗しきった体に満身の力を込め、騎士はブラックゲートにぶつかって行った。ブラックロックの魔力のせめぎ合う音は、二つの世界に跨る扉が爆発する直前、戦場にいたすべての者たちの視線を引き付けた。

舞い上がった埃が落ち着くと、ブラックゲートとフェローシップの通信網は崩壊していた。トリンシックの息子は唯、そこに居なかった。

デュプレは消えたのだ。
元ページ:https://www.facebook.com/2790070261268907