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The Oppressors


2016/08/10 15:41 更新

支配者
By EM Malachi

千年の昔、イオドーンは消滅した。

旅人カタルコットルは彼の敗れた儀式用のティルマ(外套)の切れ端で、体の傷口のある方を覆った。宝を、退廃を、そしてヒューマンの召使いたちをイオドーンに連れ戻すために働いてくれた戦士たちは、多数のミュルミデックスの傍らで既に虫の息かこと切れていた。

何匹かのミュルミデックスが逃げ出した時、コットルたちは唯一産卵する女王を捕えておきさえすれば恐ろしい虫たちも脅威ではないと考えた。今、ミュルミデックスたちは蜂起し、最初の攻撃でグレートムーンストーンを手に入れたのである。こうしてミュルミデックスはコットルたちを彼らが拠り所とする最も強力な魔法から切り離し、合理的にコットルの住処とヒューマンの抵抗勢力を一掃したのである。

ミュルミデックスを鎮静化させようとするすべての試みは失敗に終わった。新たに育成され、変態した女王は切り刻まれて食べられてしまった。コットルの最新兵器であるジーパクトリオットルはヒューマンの召使いたちを狂気へと駆り立て、コットルはこの計画をあきらめなければならなくなった。すべてを破壊され、イオドーンから脱出する手立てもなく、かつての創造主たちは彼らの偉大なる都市の地下へと退却した。コットルはこれが長期戦になることを予想し、その間に敵と戦うための決死の魔法を編み出すつもりだった。ミュルミデックスがそのような猶予を与えるはずもなく、コットランの都市のゴーレムたちのもとへは100万もの虫たちが送り込まれた。

カタルコットルは武器を手に取ろうと血塗れた甲冑を脇に押しやり、都市の中心部へと向かった。彼はムーンストーンの神殿を封鎖する必要があった。そこはイオドーンのすべてのマナが集中する場所であり、エセリアル・ボイドにムーンゲートを開くことができた。グレートムーンストーンが持ち去られ、神殿が休止してもなおその場所は唯一の希望であった。外の世界で彷徨うコットルが、いつの日かイオドーンを取り戻してくれるなら、カタルコットルはミュルミデックスがムーンストーンの神殿を引きちぎっていないことを確かめる必要があった。

彼が都市の奥深くへと入って行くと、ミュルミデックスがヒューマンの集落を通り過ぎざまに凄まじい悲鳴が上がるのが聞こえた。混乱と、トンネルの中の瓦礫にまみれ、彼はぴくりとも動かず横たわる友と親族たちの姿を見た。悲しみに苛まれながらも彼は自らを奮い立たせて進んだ。

何匹かのミュルミデックスのパトロールをかろうじてやり過ごしながら、カタルコットルはムーンストーンの神殿の扉の前に到達した。そこはユナポットリと呼ばれる金色のオートマタに守られていた。コットルゴーレムの傑作であるユナポットリは知性にあふれ、強靭で、そして間違いなく忠実であった。疲れを知らないゴーレムの、いつもならつやを帯びているはずの体はミュルミデックスの体液にまみれていた。

カタルコットルはゴーレムに語りかけた。「僕はこれから神殿に入る。そうしたらトンネルのこの部分を破壊するんだ。」人の姿をしたオートマタはしばし考え、ゆっくりとうなずいた。

カタルコットルはムーンストーンの神殿に入ると輝くクリスタルの列と神秘的な幾何学模様を見上げた。他の世界への入口であることはもとより、ムーンストーンの神殿はエセリアルの太陽系をかたどり、彼らにとって歴史そのものであったのである。彼はミュルミデックスが魔法の匂いを嗅ぎ付け、いずれこの場所を見つけるだろうことをわかっていた。彼らはこの場所を破壊するためにどんなに大量の瓦礫ですら掘り進んで来るだろう。カタルコットルはミュルミデックスの嗅覚をごまかすためのもっと刺激的な匂いを必要としていた。

彼は武器を壁に立て掛けた。このコットランの最後の要所は陥ちることはないだろう。どのような犠牲を払おうとも。自らの至らなさを懺悔した後、カタルコットルは彼のスピアの上に倒れこんだ。コットルの姿を映しとった世界を旅する者の記念碑はすべてを見届け、記憶に刻んだのだった。

一時間ほど経っただろうか、一匹のミュルミデックスドローンが緑の目をした金色のゴーレムを突っつき、それが何の脅威ももたらさないことを確認した。そして触覚を瓦礫の上にさっと這わせるとトンネルの奥へと去って行った。

*****

現在……

最初に動いた石は巣ごもり中の鳥たちを飛び上がらせた。一時間後、二つ目の石の動きを目撃した通りすがりのBarako族の男が足早に立ち去った。一時間ごとに石は新しい位置に滑るように移動し、それぞれ異なる千年の歩みをなぞるように慎重に瓦礫を並べ変えて行った。

一日の終わりには石の表面は輝き、脈打ち始め、それはどんどん早くなって行った。弧を描くマナが生い茂っていたジャングルを焼き尽くした。イオドーンの一方では直系のシャーマンであるインタンニャが目覚めるなり叫んだ。

創造主の都市、コットランへの扉が開かれたのである。

上記の内容は、広田 剣氏 がFacebookに公開したものを引用しています。

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