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予言者と吟遊詩人


2017/08/11 09:22 作成 / 2017/08/11 18:22 更新

出典: UO公式
https://uo.com/wiki/ultima-online-wiki/fiction/the-shattered-obelisk/the-oracle-and-the-bard/

By EM Malachi

ムーンゲートが開き、両手に重そうなピクニックバスケットを下げた一人のメイジが姿を現した。集落から何人かのガーゴイルが彼女に気付いて手を振り、マライアもまた手を振り返すためにバスケットを下ろした。マライアは数週間毎にナクサティラーを訪ねてお茶を飲むのが習慣になっていた。ナクサティラーはそんなマライアにグリルしたスクリーやサーモン、あるいはアザミのタルトなどテルマーのごちそうをふるまってくれたが、彼自身もまたムーングロウのパン屋の甘い焼き菓子を好むことをマライアは発見した。歴史と神秘学について語り合う時に二人でいただこうと、今日、マライアはそんなナクサティラーのためにスパイスの効いたデーツもニュジェルムから仕入れて来たのだ。

ナクサティラーの家に近づくと、鎧に身を固めたガーゴイルが二人、戸口で警備に当たっているのが目についた。彼女が近づくと彼らは頷き、ドアの前からパイクを引いて彼女に道を開けた。石造りの家の中に入ると、彼女の友人である彼は意識を失ったまま布団の中に横たわり、彼の全身は熱のために震えていた。傍らにはガーゴイルの女王ザーが彼の手を握り締めながらひどく心配した様子で座っていた。マライアに気付くとザーは彼女の方を向いて言った。「ムーングロウのマライア。お待ちしていましたよ。」

「何が起こったのです?」

「ナクサティラーはあまりに凄惨なビジョンを見て倒れたのです。まるで見たものをそのまま経験したかのように。」 ザーはシーツをめくり、老いたガーゴイルの羽が切りつけられ、火傷を負ったかのようにひどく傷ついているさまを見せた。「こんなことは今までありませんでした。」

「師は回復されるのでしょうか?」

「わかりません。彼は彼の世代の最後の生き残りで私たちの中で最年長のガーゴイルです。私の知りうる最高の魔法を持ってしても彼を眠らせてあげることが精一杯でした。」

「これから、どうなるのです?」

「ロイヤルシティに彼を移送して身の安全を図ります。こういったことはまたいずれ起こるかも知れません。あなたはこの出来事を王に知らせるのです。」ザーは彼女のものである封蝋がされたスクロールをマライアに託した。「私たちは迫り来るものに対して備えておかねばなりません。」

*****

かつてのBNNの局長でもある吟遊詩人のブンドールは、引越屋が最後の家具を運び終えたのを確認すると、箱詰めになった羽ペンを 取り出した。借りた部屋は小さかったが、彼の計画にはぴったりだった。彼は去り際の作業員に頷いて見せると執筆道具の荷解きを続行した。近くのデスクでは魔法の羽ペンがせっせとコピーを作成していた。

しばらくして、上等なシルクのドレスをまとった女が部屋の中に滑り込んで来ると彼の向かいの椅子に座った。彼女はインクのボトルを手で弄び、じっと彼を見つめていた。

「何か言いたげだね?」

レディ・マキアベッリ(*注1)は笑い出した。「あなたったら本気なの? BNNのギャングたちを呼び戻すだなんて?」

ブンドールは彼女に魔法のデスクから刷り上がった紙を渡した。

彼女は紙を一瞥した。「あの俗っぽいスペルミス(*注2)にはいつも泣きそうな気分にさせられたものよ。だけど、今の私には刺激が足りない。いいわ、あなたにスクープがあるの。」

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*注1: 元タウンクライヤー紙とBNNのレポーター。スクープのためなら敵地にも臆せず侵入した。
*注2: タウンクライヤー (Town crier) のスペルミスが名称になったかつてブリタニアで発行されていた新聞 (The Town Cryer) のこと。

上記の内容は、広田 剣氏 がFacebookに公開したものを引用しています。

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