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ラーカー


2017/09/01 16:08 更新

出典: UO公式
https://uo.com/wiki/ultima-online-wiki/fiction/the-shattered-obelisk/lurker/

By EM Malachi

ベスパーの島々と橋には霧が立ち込め、水路の街を灰色に覆い尽くしていた。サン・レムは身震いすると、ヒューマンたちの街へ共にやってきた一団に後れを取らないよう歩みを早めた。彼女の雇い主であるオーヴィドレムは、ヒューマンたちの習慣にならって土地から土地へと渡り歩くことを使用人たちにも要求したのだ。あまりの視界の悪さにサン・レムはこの習慣に感謝せずにいられなかった。

テルマーとブリタニアの交易で財を成した商人付きのヒーラーになることは、サン・レムが彼女の人生の中で予想だにしなかったことだった。ただ、ヴァーローレグの生存者たちが行く当てもなくひしめく難民キャンプの中でもがいているよりはずっとましだった。彼女はゴールドを得て食べ物を与えられ、彼女よりもずっと失ったものの大きかった親類たちとその恩恵を分かち合った。単一の徳のために鉤爪2、3本を損なう価値は十分にあるのだ。

ブリタニアの街道沿いで発生している問題を前もって把握していたオーヴィドレムは、海路を取るため商船を借り受けていた。夏の終わりの海は暖かく、風は抜群のタイミングで彼らをベスパーに運んで来た。直後に天気は崩れたのである。オーヴィドレムの取引相手であるヒューマンは、このような霧が発生するのは季節外れだと言った。

オーヴィドレムがアイアンウッド・インの贅沢な部屋に引き取ると、サン・レムたち随行者はもっとこぢんまりとした下宿屋の居室に引き上げ始めた。彼らがマーシュホールのたもとから橋を渡ろうとした時、サン・レムは小鳥や虫たちが鳴き止んだことに気付いた。彼女は静寂を信用していなかった。機械仕掛けのエクソダスが彼女の生まれ故郷を引き裂く直前まで、どんなに静かだったかを彼女はよく覚えていた。しばらく耳を澄ませた後、サン・レムは東の海上からうなるような、掻き回すような、聞きなれない音を聞いた。彼女は同胞たちに調べて来ると言い置いて上空へ飛び立った。濃い霧に覆われた陸地を抜けると、彼女は上空からくっきりと海上の異変を見て取ることができた。巨大な波が無防備な水路の街へと向かって進んでいたのである。

彼女はすかさず陸地に取って返すと警告の言葉を発した。 “Jux-wis-re!” 気付いたガーゴイルたちは人々に危険を知らせるため、ベスパーの上空をばらばらに散って行った。サン・レム自身は街で最も脆弱な、彼女たちが上陸したドックを目指して飛んだ。

水路と砂利の上を速度を上げて跳びながら彼女は叫んだ。見る者すべてに彼女の絶望は明らかだっただろう。ありったけの力を振り絞って彼女は飛んだ。海岸線の霧は晴れて、二人の子どもがドックの端で遊んでいるのが見えた。押し寄せる波が霧を押しやったのだ。眼前にそそり立つ水の壁にサン・レムは恐怖で凍りついた。独り占めしたドックで杭から杭へとジャンプに夢中になっている男の子たちは、接近する危険に気付いていなかった。彼女をヴァーローレグの惨事から救った本能が彼女に逃げろと叫ぶのを聞きながら、彼女はドックに降下した。

サン・レムは子どもたちを左右の腕に抱えると、重力に抗いながら素早く浮上を試みた。サン・レムはそのまま上空に留まることを考えたが、長くはこの状態を保てないと悟った。マジシャンズフレンズのドアが開き、アルケミストが早くしろと彼女を手で促していた。彼女は近づくと小さな男の子たちをアルケミストの腕の中に放り込んだ。背後に轟音を聞きながら、彼女がドアを叩きつけ、体ごと押さえたその瞬間、冷たい水が彼女を直撃した。

ベスパーは数分で水没した。

上記の内容は、広田 剣氏 がFacebookに公開したものを引用しています。

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